山口玲愛さん(2024年卒)三井物産(株)エネルギー第二本部
Q: 現在、どこでどのような仕事をしていますか
総合商社のエネルギー事業に携わっており、世界各国から液化天然ガス(LNG)を輸入しています。そのLNGを燃料として発電を行い、電力を安定的に供給・販売することで、人々の生活を支えています。資源の上流開発から発電・販売といった下流まで幅広く関わるため、エネルギーのダイナミックな流れを肌で感じられるのが魅力です。私たちの生活に欠かせない商材を扱う責任感と、グローバルに広がるやりがいを日々実感しています。
Q: なぜ現在の職場を選んだのですか?
大学3年生の時、私はロシアへの交換留学を予定していました。しかし、出発を目前にしてウクライナ侵攻が始まり、留学計画は中止せざるを得ませんでした。それまで必死に語学や専門分野を学び準備していたため、自分の力ではどうにもできない外部環境に人生を左右される悔しさを強く感じました。その中で「自分にできることはないか」と考え、ウクライナから避難してきた方々を支援するボランティアに参加しました。実際に彼らと関わる中で、家族と共に安全な場所で暮らし、日々を穏やかに過ごすことがどれほど尊く、当たり前ではないかを肌で実感しました。そうした経験を通じて、人々の暮らしの基盤を守り、安心して生活できる環境を支えることこそ、自分が携わりたい仕事だと強く思うようになりました。その思いが、エネルギーという生活に不可欠な領域で、社会の根底を支えるビジネスに関わる現在の仕事を選んだ大きな理由です。
寮近くでお散歩したゼンコフ正教会(カザフスタン・アルマトィ)
Q: ロシア語学科で学んでよかったと思うことは何ですか?
単に言語を習得しただけでなく、視野が大きく広がったことです。ロシアは日本にとって地理的にも歴史的にも切り離せない存在であり、ビジネスの現場に出ると、意外なほど多くの人がロシアとの関わりを持っています。その中で、ロシアを理解していることが自分の世界を広げる大きな力になっています。また、小規模な学科だったからこそ先生方から密なサポートを受けられ、ボランティアやロシア語を活かしたアルバイト、留学生との交流、カザフスタン留学など、幅広い経験を積むことができました。一方で「なぜロシア語?」と不思議がられることも少なくありませんでしたが、その特異性こそが大きな財産だと感じています。
アルファラビ名称カザフ国立大学にて(カザフスタン・アルマトイ)
(所属は取材当時のものです)