皆さんこんにちは!イスパニア語学科3年生の坂田遼太郎です。
私は現在、チリの首都・サンティアゴにあるチリ・カトリック大学で1年間の交換留学中です。
チリの魅力や現地生活を、できるだけ具体的に知っていただけるようお伝えするので、是非最後までお読みください。
【チリってどんな国?】
日本では「細長い」「ワイン」「サーモン」など、限られた部分しか知られていないチリですが、実際は知れば知るほどのめり込んで行く、深い魅力を持つ国なのです!特筆すべきは、北部の「世界一乾燥した場所」アタカマ砂漠、中部の太平洋に面した青いビーチとアンデス山脈のスキーリゾート、南部の壮大なフィヨルド海岸に南極地方など、南北に長い国土だからこその、圧倒的な自然の多様性です。また、スペインやイタリア、ドイツなど欧州系移民の子孫が約9割を占める国ではありますが、数百年もの間スペインの支配に抵抗し、現在も独自の文化を守り続ける先住民(特に「マプーチェ族」が有名です)やモアイ像で知られるイースター島など、文化的多様性も他の南米諸国に劣りません。「多様性」という言葉は、近年あまりにも多く利用され、ありきたりな表現に聞こえるかもしれませんが(笑)、その概念をあらゆる面で体現する国として、チリは唯一無二だと思います。
イースター島。モアイ像が有名だが、遠い昔長い航海の末絶海の孤島に辿り着いたラパ・ヌイ(イースター島先住民)に思いが巡る、島の雰囲気そのものが素晴らしい。
【サンティアゴでの生活】
私が住むサンティアゴは、チリの総人口のおよそ4割が暮らす大都市で、富士山より高いアンデスの山々をバックに近代的な高層ビルが立ち並ぶダイナミックな景観が特徴です。また、地下鉄とバスで街中を移動できる上、スーパーマーケットや大型ショッピングセンターも多く、利便性では東京と大差ありません。
しかし!地区によって治安が大きく異なるので、渡航前の下調べが大切です。
私の住居は、10か国以上から集まった40名ほどの学生が暮らす民間の寮で、「公用語」はもちろんスペイン語です。ここが第二の実家とも呼べる大好きな場所で、毎日様々な価値観に触れ、刺激に溢れた生活を送っています。特に、最近開催した「国際ディナー」では、各自が母国の料理を振る舞い、国際寮らしい最高の思い出となりました。
サンティアゴNo.1観光地サン・クリストバルの丘で寮の友人と。雪を被ったアンデス山脈は何度見ても鳥肌が立つ美しさ。
【チリ留学を通して得られるもの】
イスパニア語学科に入学した場合、ラテンアメリカ史の授業で学習するのですが、チリは1973年から1989年まで独裁政権を経験しました。その間、反対派の人々が多く拉致され、現在もおよそ1500名が行方不明となっています。一方で、同じ時期に飛躍的な経済成長を達成した(現在も、チリはラテンアメリカで経済的に最も発展した国の1つです)ため、その独裁政権に対する評価を巡り、現在もチリ社会は大きく分断されています。さらに、年金制度や教育制度にも大きな問題を抱えています。これらに起因する不満は凄まじく、デモ隊と警察の暴力的な衝突が発生することもしばしば。そのため、何かのきっかけでこの状況が深刻化し暴力がエスカレートすれば、大好きなチリ、サンティアゴ、そして現地の友人が傷つけられるのではないか、という感情を抱くようになりました。
以前は外野から眺めていた「地球の裏側の国が抱える問題を『自分ごと』として考えられる」、これは留学を経ずして得られなかった事だと思います。
【最後に】
イスパニア語を学ぶ学生にとっても、留学先としてはほとんど名前が挙がらないチリ。しかし、大自然に触れながら様々な社会問題について深く考えさせてくれる唯一無二の国です。その魅力をこれからイスパニア語学科を志す皆さんに少しでも知っていただければ幸いです。
では、四谷キャンパスで会いましょう!応援しています。
アタカマ砂漠にある「タティオ間欠泉」。標高4300mに位置する「世界一高い間欠泉」で、驚くほど幻想的。