グローバル化の進展の中で、自らのよって立つ地域に根ざしつつ、世界諸地域の多様性、固有性を踏まえ、地球的な視野をもって各分野で活躍することのできる人の育成が、今求められています。上智大学外国語学部こそが、この社会的要請に応えることができると私たちは考えています。というのも、こうした現代世界への対応力の前提となるのは、言うまでもなく複数の言語の高度な運用能力とその言語が使われる地域、文化、社会の理解であり、私たちの学部は外国語教育の長い伝統と、最新の外国語教育のメソッドと多様な分野を専門とする教員を有しているからです。

語学の修得と専門分野での研究。外国語学部が誇るこの両輪を駆使して初めて、地球社会全体を視野に、様々な言語が使用される地域、そして日本についての深い理解を持ち、複眼的な視点から様々な課題を考察し、社会の発展に寄与できる人となることができるのではないでしょうか。

どんな学部に入っても「外国語を学ぶ」ことがカリキュラムに含まれているでしょう。また「外国語（英語）で学ぶ」学部も増えてきました。もちろん外国語学部でも、外国語を集中的に学び、外国語で専門的な内容を学びます。しかしそれだけではありません。他では得られない外国語学部ならではの特徴は、外国語をとおして学ぶことです。自らその言語を身につけることをとおして、言語や文化、社会を内側から理解することをめざすのです。

すなわち、外国語学部では、自分なりの問題意識を掘り下げるための入り口／切り口として外国語を学びます。どの言語にも、その言語を用いてきた人々の経験や価値観、考え方が蓄積されています。そしてその言語で社会や文化が形成されています。だからこそ、世界の諸地域の歴史や社会、政治、経済、文化などをより深く理解するために高度な言語能力が必要になるのです。そして、学んでいる言語や言語を学び使うこと自体ももちろん研究対象となります。外国語を深く学ぶことが新しい世界を探究するカギとなるのです。