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留学BLOG

2025.07.08

目標だったドイツ留学 -2都市での留学の経験-

こんにちは、ドイツ語学科3年の横田みなみです。私は、半年間のバンベルクでの在外履修を終え、現在、交換留学制度を利用してハイデルベルクで留学をしています。私自身初めての海外、初めての一人暮らしということもあり、すべてが未知で不安もいっぱいでしたが、今では留学での経験が私自身の世界や考え方を広げてくれていると思っています。ドイツに到着してから早くも10か月が経過し、試行錯誤を繰り返しながらもドイツの生活にも慣れてきました。今回ブログを書く機会をいただいたので、バンベルクとハイデルベルク2都市での生活について簡単に紹介したいと思います。

バンベルクでの生活・学習

バンベルクという都市は日本人にも、ドイツ人にもあまり知られていないとても小さな都市ですが、旧市街は世界遺産に登録されており、とても美しいです。9月にドイツに到着したばかりの頃は、当たり前ですが全てドイツ語で書いてあるので、簡単に理解することが出来ず、駅やスーパー、洗濯をするときなどなど、わからない単語を常にスマホで調べながら生活していました。住民登録や滞在許可証の登録もドイツ語でする必要があったため、どきどきでした。日本ですでにドイツ語を勉強していましたが、十分ではなかったということを実感し、ドイツに到着してから反省しました。

バンベルクでは、学期前に9月から1か月程度行われる準備コースに参加し、学期中には留学生用に開講されていた、リスニング、リーディング、バンベルクの歴史、そしてドイツ人のステレオタイプについての授業を履修していました。上智大学でとっていた授業に比べれば授業数は明らかに少なかったものの、慣れないドイツ生活とドイツ語で説明される授業はとてもつらく感じました。また、準備コースの段階では、説明される文法は理解できても、先生の言っていることがわからず対応できないという状態でした。他の留学生は活発に発言をするため、自分と比べてしまい始めから自信を無くしてしまいました。この時、日本ではドイツ語で意見を言う練習が十分に出来ていなかったことを実感しました。しかし準備コースが終わる頃には、先生の話していることを理解できるようになり、問題なく授業を受けられる状態になっていました。準備コースは学期前に平日毎日ドイツ語の授業を3時間程度受けるため、少し大変ですが受けることを強くお勧めします。バンベルクの授業の中でおすすめしたい授業は、バンベルクの歴史についての授業です。バンベルクの歴史は他ではなかなか学ぶ機会がなく、授業の中ではバンベルクを散策しながら、バンベルクについてもより詳しくなれるのでとてもおすすめです。

また、バンベルクには日本語学科が存在しませんが、私はバンベルクで日本語を教えている日本人の先生と知り合い、日本語の授業に参加させていただきました。バンベルクには日本人留学生を助けてくださる日本人の方々がおり、バンベルク生活の中で食事に招待していただくこともあり、たくさん助けていただきました。

バンベルクの旧市庁舎

バンベルクのバラ園

私は4月に初めにバンベルクからハイデルベルクに引っ越しました。短期間で異なる都市に移動することは、引っ越し準備や次の大学への出願、引っ越し後の手続きなどをする必要があり大変でした。しかし、私は留学中に2つのドイツの都市に留学するという経験ができてよかったと考えています。バンベルクとハイデルベルクは比較的似ている街と言えますが、生活しているとちょっとした違いを感じることがあります。例えば、ハイデルベルクはバンベルクよりも街の規模が大きいため、バンベルクにはなかったトラムや中央駅があります。私はドイツのバスの揺れに酔ってしまうことが多かったため、ハイデルベルクに来てからトラムの方が揺れが少なく、酔わないことに気がつき、トラムが好きになりました。

また、ハイデルベルクに来てから、ハイデルベルクとバンベルクどちらの方がきれいかと聞かれることがよくあります。どちらの街も美しいので私は一方の街の方がきれいとは言わず、いつもにごして答えています。ちなみにバンベルクで全学期学んでいたことを話すと70%くらいの確率で聞かれます。

ハイデルベルクでの生活・学習

ハイデルベルクでは、週二回のドイツ語のクラス、同じく週二回のドイツ政治について授業、歴史の授業、そしてドイツ語の語彙を学ぶ授業に参加しています。すべて留学生用に開講されている授業です。半年間の在外履修によってドイツ語の授業にはある程度なれていたため、不安は大きくありませんでした。しかし、週二回のドイツ政治の授業は課題が私にとっては多く、グループワークが頻繁に行われるので、とても大変です。しかし、同時に刺激にもなっており、この授業を通じて、政治の専門用語をドイツ語で学び、発言するという力を伸ばすことができていると思います。また、この授業の中で自国の政治システムについて質問されることが多いので、日本の政治についても改めて学び直す機会となっています。

ハイデルベルクには日本語学科があり、月末には日本人の学生と日本語学科のドイツ学生が交流するイベントがあります。このイベントのお陰でドイツ人の友達をつくることができました。また、現在日本語学科のイベントで出会った3人のドイツ人とタンデムをしています。私がハイデルベルクでドイツ政治の授業をとっていることもあり、ドイツと日本の政治について話し始めると、ドイツの学生は自分の意見を持って議論してくれるので、いつも興味深くきいています。また、学生食堂で一緒にご飯を食べたり、勉強したり、週末にはタンデムパートナーの家に招待してもらうこともあります。ドイツで留学していても、留学生用の授業を取るとドイツ人と関わる機会がないことも多いので、ハイデルベルクでドイツ人と友達になれる機会があることはとてもありがたいです。

また、私は日本で剣道を小学生からしていたので、ハイデルベルクで剣道をできるところを探していたところ、ハイデルベルクには剣道クラブがあることがわかり、そこで実際にドイツで週に1回程度剣道をしています。ドイツで剣道に興味を持ってくれる人がいること、そして小さな目標であった、ドイツで感動をすることが叶って嬉しいです。

授業に行く途中に見えるハイデルベルクの景色

タンデムパートナーと花火を見に行った時

さらにドイツで、上智大学で出会ったドイツ人の友達や上智大学のオンラインタンデムパートナープログラムでタンデムをしていたドイツ人の友達にも会いに行きました。ドイツで友達と再会出来たり、初めて実際に会うことができたりと、改めてドイツに来たということを実感しました。

上智のプログラムで知り合ったオンラインタンデムパートナーにドイツで会いました

ドイツでは、日本に関連したイベントが多く開催されています。私はドイツで開催されていた日本をテーマにしたイベントに2つ参加しました。一つ目は、デュッセルドルフで開催されたJapan Tagというイベントです、このイベントにはボランティアとして参加しました。Japan Tagには日本のアニメや着物、食べ物のお店が多くあり、とても賑わっていました。私がお手伝いしたブースは書道のブースだったのですが、予想以上の賑わいで、驚きました。二つ目はフランクフルトで行われたNippon Connectionという日本の映画祭りです。日本の映画がドイツで英語字幕で上映されました。私も一作品見たのですが、日本人が笑わないようなポイントでも観客が笑っていて、なぜだろうかと不思議に思いながらも、その違いがとても面白かったです。

Japan Tagで書道のボランティアをしたときの様子

最後に                                                                                

留学生活は想像していたよりも学習、生活、ドイツでの手続きにおいて、うまくいかないことが多く、理想と現実のギャップに苦しむことが今でもあります。また、ふとしたときに言語の壁を実感し、孤独感を感じることもあります。しかし、同時に異なる文化の人々と会話することの楽しさも感じています。留学に来て、様々な国からの留学生と関わることによって言語を学ぶことで広がる世界に気づき、その楽しさを実感しています。日本以外の国で暮らすというのは、言語も文化も違い、ストレスの溜まることも多いですが、それ以上に、私自身留学でしか得られない経験がたくさん出来ています。1年もあっという間で残り数ヶ月のドイツ生活ですが、悔いのないように楽しんで過ごしたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

横田みなみ