特色と目的
Penser français à Sophia
本学科はフランス語の高度な実践的運用能力を養成することにとどまらず、それを十分に生かして、フランス語圏の社会、政治、思想、文化、歴史などを総合的に学び、単なる「機械翻訳的メディア(媒介者)」ではなく、フランス語が使われる世界諸地域への深い理解に根ざした広く、奥行きのある視座をもった人間を育てることを目的にしています。そのために、少人数のクラス編成や、日本人とネイティヴ教員の緊密な連携を通じて、徹底したフランス語の訓練を行います。同時にフランス語圏の歴史や文化、政治と宗教、あるいは社会や経済、そして言語そのものについて、基礎的教養から発展的な内容までを扱う多様な科目やゼミを用意しています。
現在の世界はグローバル化の結果、各地域は相互の結びつきを強めています。その一方で(あるいはそれ故にというべきか)、異なる制度、慣習、宗教、文化の相違や政治的・経済的利害の対立を背景にしたコンフリクトも目立ちます。今日ほど異文化間の相違を乗り越え、民族・国家間の相互理解を深めることが大切な時代はないといえます。
フランス語学科では、フランス語とフランス語園を深く学ぶことを通して、現代世界の多元文化状況をたくましく生き抜いていける、複眼的な目を持った柔軟な人間の育成を目指しているのです。
Why フランス語?
フランス語を学ぶ魅力は、なんといっても、その地域的な広がりにあります。5つの大陸で2億人以上の人がフランス語を話しています。よく「フランス語圏」の定義に利用されるフランコフォニー国際機関(OIF)の加盟国をみると、その加盟国は全世界で70の国以上にのぼり、そのフランス語話者人口は約3億人です。フランス語は英語の次に多くの人が学び、世界で9番目に話されている言語です。
フランス語を理解するということは、5つの大陸のフランス語の話し手とのコミュニケーションを通じて、世界を別の視点から見ることにつながるのです。
フランス語の地理的分布(マップ参照)をご覧ください。全世界のフランス語話者の約半分(1.4億人以上)はアフリカ大陸と中東に住んでいます。アフリカにおける国際協力に志すためには、フランス語は不可欠な言語なのです。加えて、フランス語は国連や欧州連合、ユネスコ、NATO、国際オリンピック委員会、国際赤十字において、また国際的な法的機関等の公用語でもあります。つまり、国際関係・国際協力の分野を志したい皆さんにとってフランス語はとても重要なのです。
フランス語は料理、ファッション、演劇、映画、建築、アートの世界において欠かせない国際的な言語です。フランス語を学ぶことで、そのような芸術に直接に触れることができます。
また、フランス語を学びはじめると皆さんも実感すると思いますが、フランス語は分析的な言語です。フランス語を学ぶことで、皆さん自身の思考を組み立て、議論する批判的な思考力を鍛えることができます。