上智の外国語学部で学ぶということや、自らが専攻する言語の高い運用能力を身につけることが社会的に期待されると思います。しかし、「英語がペラペラ」になることだけでは、グローバル化する世界で生き抜くには不十分です。多言語を通じて、国内外の歴史、社会、そしてそこに住む人びとについて学び、そして学んだことから自らが生きる世界を客観的に、多角的に捉える力を身につけてください。そして、自分が様々なグローバルな現象、グローバルに活躍する人びと、ときには取り残されてしまった人びとと繋がり、有意義な関係を紡いでいけるかについて、自分なりの答えを見つけてください。
大学は、新しい人、経験や書物との出会いに満ち溢れた空間です。ぜひ、アンテナを張り巡らせて、的確な情報をキャッチし、新しい出会いから無限の可能性を切り開いていってください。本学では、全国に類がないほど、北米研究の様々な専門の研究者がそろい、日本で唯一のアメリカ・カナダ研究所があります。日本にある研究所として、日系移民研究や戦後占領期に関する一次資料も揃えている、充実した環境です。一同、皆様と一緒に勉強することを心より楽しみにしております。
Second language acquisition is influenced by various factors—both internal and external to the learner—leading each individual to construct a unique linguistic system in their mind. The more we deepen our understanding of second language acquisition processes, the greater the range of possibilities for creative learning and teaching. At the same time, we may find ourselves becoming more tolerant and compassionate toward learners striving to improve their second language abilities. In other words, SLA is both a theoretical and practical field of study.
I aim to try to turn my classroom into a space where students can discuss ideas and collaborate on creative projects. Often the creative projets are very playful and may seem quite child-like at first, but gradually they always lead us into discussions about important issues: the environment, democracy, freedom, fairness in society and consideration of our responsibilitiees towards other people.
I research British ideas of Asia during the eighteenth and nineteenth centuries, with particular focus on representations of the “East” in travel writing, material culture, and fiction. Publications include (with Tomoe Kumojima) Pacific Gateways: Trans-Oceanic Narratives and Anglophone Literature" (Palgrave, 2024); (with Alex Watson) "British Romanticism in Asia: The Reception, Translation, and Transformation of British Literature in India and East Asia" (Palgrave, 2019). I have also edited a special issue of Studies in Travel Writing (with Steve Clark, 21.1: 2017), focusing on the Victorian traveller Isabella Bird. I am one of the series editors of the Palgrave “Asia-Pacific and Literature in English” series. In 2025-26 I will be on sabbatical, working on a book project on utopianism and British writing on Japan.
なぜ子供はどんな言語でも教わることなく自然に話せるようになるのか。この問に対して、「ヒトは全ての言語に共通する基礎知識を生まれつき持っているから」という仮説を立て、その知識の中身を解明しようというのが生成文法の研究です。あらゆる言語に共通する文法とは、どんなものなのか?多様な言語の比較分析から見出された共通する規則性をもとに仮説を立て、さらに別の言語のデータを用いて検証、その結果に基づいて新しい仮説を立てる…という科学的手法でこの問題に取り組みます。英語や日本語は勿論、様々な言語のデータから何が見えてくるか。謎解きの作業を通して、観察力、データ分析スキル、論理的思考力が磨かれる研究分野です。
言語を習得し、それを運用するとはどういうことを意味するのだろうか。言語行為論(speech act theory)というのがあり、それは言語を発話の<行為>として用いると、社会関係を維持させたり、覆したりする効力があるという考え方である。発話行為は権力関係が絡み合うという政治性があるため、どうすれば効果的に発話を成功させるかという問いがある。文学作品が綴る「物語」のなかには、発話を政治的なダイナミックなものとして捉えるものが多く存在している。19世紀以降のとくに発話の機会を奪われてきた女性やマイノリティの物語や発話について考えてみましょう。さまざまな物語や文学作品を介して「声」を捉え直せば、なぜ社会的弱者の沈黙させられてきたのか理解でき、その「声」を掘り起こす意義も感じられるのではないかと思います。
My specialty is Creative Writing and Contemporary Fiction. In my classes, I focus on how we can use language as an observational and interpretive tool to bring the world closer to us and how writers craft stories to explore issues present in contemporary life. To this end, I try to create space for students to think creatively and critically about their experiences and, ultimately, their place in society. Class projects focus on argumentative writing, the foundations of storytelling, and narrative perspective. We consider topics such as culture, immigration, assimilation, and equality. My classes aim to promote flexible thinking that encourages empathy and helps build acceptance for ourselves and others.
音声学とは言語の音声に関わるメカニズムを科学的に探求する学問です。音韻論は、その中でも脳内で行われる処理を文法や語彙に関する他の処理との関連を考慮しながら追求しています。また、言語機能を支える人間の心理、生理、物理的な能力を総合的に考察するのが認知科学です。どれもがどこかでつながっていて切り分けるのが難しいのですが、一つの実験の中で扱える範囲をうまく切り出して意味のある結果が出せるように日々知恵を絞っています。
私の専門はアフリカ系アメリカ人の歴史と文化です。その中でも特に、20世紀転換期以降頻発したリンチと呼ばれる人種暴力と、虐げられた人びとの抵抗の歴史を、さまざまな視点から研究しています。当時の出来事を明らかにするだけではなく、それが現在に至るまでどのように語られてきたかというcommemorationの問題にも関心があります。たとえば、博物館や記念碑は暴力の歴史をどのように展示してきたのでしょうか。また、教科書はその歴史をどのように教えてきたのでしょうか。歴史と現在のつながりを考える楽しさを、みなさんと共有できれば嬉しいです。
人はどの様に言語を習得し、結果どの様に教えれば良いのかを探究する分野を応用言語学といいます。自分はその中でバイリンガリズム、継承語教育、マイノリティ教育が社会的にどの様に推進されていくのかを研究してきました。言語習得は個人の認知力だけに依拠せず、環境も大きく作用します。また、長年母語話者を規範としてきた言語指導ですが、差別的で欠損的な視点だとし、言語学習者の言語を全く違った視点から肯定的に捉え直す動きが出てきています。「日本人は英語ができない」という言説を払拭し、言語はコミュニケーションの為のただの「ツール」ではなく、世界観そのものを構築するということを多くの人に意識してもらえればと思います。
私は現代アメリカ史を専門とし、アメリカとアジア太平洋地域との歴史的な関係を研究しています。19世紀後半から現在に至るまで、米国は太平洋諸島を中心に多くの海外領土をもってきました。領土というアメリカの「周縁」に置かれた人々から、アメリカの姿はどのように見えるでしょうか。アメリカの歴史や社会、文化について、帝国主義や人種・ジェンダー・セクシュアリティなどの観点から、一緒に学べることを楽しみにしています。
私は文化心理学者として差別の心理学ついて研究しています。マジョリティ性を持った人々は、なぜマイノリティ側の人々の状況(構造的差別など)に対して無知・無自覚・無関心でいられるのか。差別をなくすには権力を持った側の人々の意識変革が重要で、今まで見えていなかった自身の特権を可視化することからその変革の旅が始まります。英語学科では多様な学問や視点からSocial Justice(社会的公正)の変革の担い手になる学生と一緒にいろんな社会的課題を考えて行動に繋げていきましょう!
ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)はルネッサンス後期のイングランドで活躍した劇作家です。彼は40ほどの戯曲と2つの長編物語詩、そして幾つかの断片的な詩を残しました。シェイクスピアの作品には、今も変わらない、表も裏もある複雑で愛おしい人間たちの様々な姿が描かれています。善人にも悪が、悪人にも善がある、幸福な出来事にも不幸の種が、不幸な出来事にも幸福の種があるという複眼的な視点で、シェイクスピアはこの世界やそこに生きる人々を描きました。シェイクスピアの面白さを是非、一緒に探求しましょう。
My research primarily focuses on the sociolinguistics of intercultural interaction. I am interested in why problems occur when people from different backgrounds interact and how they try to solve those problems. I use Language Management Theory to try to answer these questions.
I specialize in teaching students to examine the uses of language in real life or in media to discover the hidden ideologies and themes being spread, shared, and consumed, especially in relation to concepts of language, gender, and sexuality. The more critical thinking we use to examine such ideologies, the better society and world we can create for everyone to enjoy freely.
My research is concerned with the expression of identity in academic writing, and I collect corpora of student writing and examine them for particular linguistic devices that signal the writer's stance and voice. This research informs my teaching in the classroom and I have also published about it in a variety of publications.
私の研究は、アメリカ合衆国の「南部」と呼ばれる地域に生きたアフリカ系アメリカ人や日本人、日系人たちの歴史です。 学部時代の留学中、ペンシルバニア州からルイジアナ州までボランティア旅行に行ったことが研究者を目指すきっかけになりました。 アメリカの歴史を様々な人々の視点から考察すること、史料を突き合わせながら解釈をすること、それが現代を生きる私たちにとってどういった意義や意味があるのか、答えはひとつではありません。みなさんと対話や議論ができるのを楽しみにしています。