こんにちは!ロシア語学科4年生の伊藤萌です。
私は2025年9月1日(三年生の秋)から交換留学でカザフスタンのアルマトイにあるアルファラビ記念カザフ国立大学に半年間留学をしていました。
このブログでは、アルマトイに約6ヶ月、アスタナに1ヶ月暮らして私が感じたことや見てきたものの紹介をします。

公園で祝ってもらった誕生日ピクニック
授業
授業は週5日で一コマ60分です。
ロシア語:週12コマ
時事ロシア語:週3コマ
国際コミュニケーション:週2コマ
カザフ語:週2コマ
カザフスタンの歴史:週2コマ
始業は朝8時からで日によっては午前中のみで授業が終わります。クラスは日本人だけで固められていました。バス通学が基本ですが天気の良い日は朝のアルマトイを1時間弱歩いて大学に通っており朝の柔らかい日差しを浴びながら公園を散歩した後にロシア語の授業を受けて放課後はカフェ巡りをしながら勉強する時間は、常に何かに追われ続けている日本での生活にはないとてものんびりした素晴らしい時間です。冬場は鬱対策にビタミンDを生成するため、浴びられるだけの日光を浴びるようにしていました。
言語
ロシア語とカザフ語の2つの言語が使用されており、アスタナやアルマトイなどの大都市部に住む多くの人は二言語話者です。この両言語の地位については先日行われた憲法改正に関する国民投票の争点の一つにもなっていましたね。国民投票では国立図書館や大学が投票所になり、よく買っていた水のボトルにも国民投票の宣伝が出ていました。
気候
アルマトイ・アスタナ共に夏場は日差しが強いものの、湿度が低いので日陰に入れば暑さは尾を引かずに涼しさを感じられます。冬場のアルマトイは12月ごろから冷え始め、気温が5度くらいまで上がっては雪が降り、放射冷却でマイナス15度くらいまで冷える。といったサイクルでした。アスタナは私がいた二月は平均するとマイナス10度ほどで20分くらいなら歩いていても問題はありません。ですが、マイナス34度まで下がった日は15分歩いただけで足が凍って折れてしまうかと錯覚するほど寒いです。「こんなに寒いならこれだけはやっておかねば!」と思い立ち、バナナと水で濡らしたハンカチを窓の外においてみたところ3分で凍りつきました。乾燥と寒さで雪がさらさらで軽くなっており、吹雪というよりかは砂嵐のようになった雪が顔に当たります。

アスタナ 30秒で凍りついたハンカチ
食べ物
寮での暮らしは基本自炊ですが、お昼ご飯は外で食べるようにしていました。韓国料理や中華料理が日本と同じ、もしくはそれ以上のクオリティで食べられる上にウイグル料理、ロシア料理、ウズベク料理、カザフ料理など多様な美味しいものが比較的安価で食べられるため食に困ることはほとんどありませんでした。たまに食べ慣れた優しいアジア料理が食べたい時はベトナムレストラン(café on Saigon)に通っていました。
スーパーマーケットではお菓子や穀物(ジャポニカ米が主流です)、野菜が量り売りされていて必要な分だけ買えるので野菜を腐らせるリスクを減らすことができます。特にマッシュルームはとてもジューシーで、焼いて塩をかけるだけで美味しく、しかも冬場の鬱対策にもなるのでマッシュルームをなるべく毎日食べるようにしています。フルーツも日本に比べて安いのでオレンジとレモンにビシュケクで買ったお茶とはちみつを入れてよく飲んでいます。アルマトイはりんごの街でもあるので、りんごからビタミンを摂取するのもおすすめです。
またロシア・中央アジア限定なのかは定かではありませんが、ファンタのザクロ味が売っておりこれがほんっっっとうに美味しいので訪れた際はぜひスーパーで買ってみてください。
留学の持ち物
留学に持っていくべきナンバーワンは顆粒だしです。醤油などは現地でも買えますがこれだけは日本から持ってこないと味わえません。自炊をするのは億劫だけど、デリバリーの重いご飯やハンバーガーも食べたくないという日は顆粒だしと卵で作ったおじやをよく食べていました。他には小さいピンチハンガー、使い慣れた抱き枕、よく使用している香水(私はこれを日本に忘れたため、お店を何件も回って最も近い香りのものを購入しました)、ヒートテックの極暖なども環境の変化への適応に役立ち、私の生活を助けてくれました。強いていうなら寮生活でより良い睡眠を取るためにノイズキャンセル付きのイヤホンもあると良いかもしれません。電車やバスでの長距離移動の時なども非常に役に立ちます。

ホームステイ先で年越し花火
おすすめの過ごし方3選 inアルマトイ
アルマトイで私がおすすめしたい過ごし方はこの三つです。
メニューがおしゃれで過ごしやすく、どのお店もコーヒー1杯300円程度です。人口密度が日本の首都圏と比べ物にならないほど小さいので、いつ行っても大体空いていますし、コーヒー1杯で何時間も居座りたい貧乏学生の大敵のお客さんが待っている罪悪感というものを感じません。Wi-Fiやコンセントがあるお店も多く、図書館や家での勉強が煮詰まって気分転換したい時やちょっとしたおやつにおすすめです。
カザフスタン=寒いといったイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、アルマトイが寒いのは11月後半から2月末にかけての4ヶ月弱のみでそれ以外は非常にすごしやすいです。緑の綺麗な公園も多く、ベンチに腰掛けてドンブラ(カザフスタンの伝統的な弦楽器)の練習をするのものんびりしていてとても素敵な時間が過ごせます。
もし、滞在期間中に時間があるのなら絶対に映画館と劇場に行くべきです。映画館では学割を使えば一回500円で映画が見られますし、劇場では1000円でプロのオペラ、バレエを鑑賞することができます。また、サーカスも定期的に開催しており、こちらも1,500円ほどで3時間以上楽しめるのでめちゃくちゃお得です。
おすすめの過ごし方3選 inアスタナ
カザフスタンに来たなら絶対にここに行ってください。中央アジア各国の持つ国立博物館の中でも最大の博物館で、石器時代から現在のバイコヌール宇宙基地での最新の科学までカザフスタンの歴史を実際の資料とともに学ぶことができます。また、最上階には近代芸術の展示もあり、とても見応えのある博物館です。ただし、クロークの荷物を預け入れるロッカーには注意してください。一定確率で開かなくなり、クロークの担当のお姉さんたちでは歯がたたないのでその場合はドライバーでこじ開けてくれる頼もしいお兄さんの登場を待つしかなくなります。
アルマトイにもアバイ劇場という劇場がありますが、アスタナの劇場は豪華さが桁違いです。価格帯は少しアルマトイの劇場よりも上がりますが、お金を払う価値があります。こちらも中央アジア最大の設備を持つ劇場で、いくつかのホールと独自の最新の舞台装置などの設備を備えています。一度この劇場でバレエ『ドン・キホーテ』を見に行った際には、なんと舞台上に本物の馬に跨ったドン・キホーテが登場しました。また、こちらの劇場では現在日本人のバレエダンサーの方が4人働いておられます。
アスタナ最大のスケート場は、長距離トラックが冬場の平日夜と日曜日に開放されており、見たことのない大きさのリンクを自由に滑ることができます。平日に行けば人も少ないので、人にぶつかって転倒などという危険も少ないので初心者でも安心して練習できます。また、スケート靴の貸し出し込みで1000円ほどという価格設定も魅力的です。カザフスタンのスポーツショップには5000円代からスケート靴が売っており、長期滞在するならいっそのこと買ってしまうのもいいかもしれません。
その他個人的におすすめの場所
セメイ市
この町は旧名称をセミパラチンスクといいます。アルマトイからノヴォシビルスク方面行きの22時間ほどで、プラツカートなら往復12000円前後でたどり着くことができます。ソ連時代に核実験が行われていた場所が近くにあり、一連の実験によって多くの被爆者が出た町として知られています。またその経験から、日本の広島市の姉妹都市でもあります。住民はロシア系が多く、観光客も外国人も少ないです。そして文豪ドストエフスキーがオムスク監獄で4年間の流刑を過ごしたのちに国境警備隊の兵士として1854年から1858年の4年間を過ごした場所でもあるのです。彼が流刑中に結婚した一人目の妻と暮らした家がドストエフスキー博物館となって保存されています。この博物館は訪れる人が少ないため、見学中はガイドさんがずっとついてきてくれ、セメイ市とドストエフスキーに関する質問に対して丁寧に答えてくれます。当時彼が見ていた景色と変わらない建造物や地形を聞くと、地図を指しながら丁寧に教えてくれ、実際にその場に訪れてドストエフスキーが168年前に見ていた景色に想いを馳せることができました。もし機会と興味があればぜひ訪れてほしい町です。

セメイ ドストエフスキー博物館で推し活
ここまで読んでくださりありがとうございます!7ヶ月間の留学を通してここには書ききれないほど多くの思い出を得ることができました。本当は全てじっくり書きたいところではありますが、あまり長くなると読むのが大変になると思い泣く泣く消したエピソードや場所、体験が多くあります。これを読んで少しでもカザフスタンに行ってみたい、実際に見てみたいと思ってもらえたら嬉しいです!