概要
イスパニア語学科生の多くが、長期または短期でイスパニア語圏への留学を経験します。イスパニア語圏でイスパニア語に囲まれた生活を経験することは、言語運用能力の向上はもちろんのこと、文化的・社会的背景に直接触れることで、学習そのものへの動機が高まるという効果も期待できます。
長期留学
大学が用意している長期留学の制度としては、「交換留学」および「一般留学」の2つがあり、現地で取得した単位を本学の卒業に必要な単位に換算することができるため、4年での卒業が可能です。イスパニア語圏の交換留学協定校は、現在、スペインに17大学、メキシコに10大学、アルゼンチン、チリ、コロンビア、ペルーにそれぞれ2大学、そして、グアテマラ、ウルグアイに各1大学があります(2025年6月1日現在)。それぞれが各国を代表する教育機関で、さまざまな環境を選べるようになっています。また、イスパニア語圏以外に留学することも可能で、英語圏の大学に留学する学生が時折みられます。
ほかには、「休学留学」という形で、大学の休学制度を利用して海外で勉学を進めることもできます。
短期留学
大学が提供するイスパニア語圏への短期留学制度としては、現在、春期休暇期間中のバルセロナ自治大学(スペイン)での短期語学講座と、春期休暇期間中のデウスト大学(スペイン)、夏期休暇期間中の教皇立ハベリアナ大学(コロンビア)での短期研修が設けられています。バルセロナ自治大学の講座は、外国語科目としての開講のため、イスパニア語を専攻語として学習するイスパニア語学科生の場合は、参加しても単位を換算することはできませんが、デウスト大学および教皇立ハベリアナ大学の講座は学科科目の単位が付与されます。
その他、長期休暇を利用してイスパニア語圏の語学学校に個人で赴く学生も多くおり、イスパニア語学科で学習したことの意義を確認したり、イスパニア語学習の動機を新たにしたり、短期の滞在でも大きな成果を持って帰ってきているようです。
留学はどのように行うのですか?どこに留学できますか?
まずは大きく分けて長期留学と短期留学があります。長期留学の場合、①交換協定を締結している協定校に留学する「交換留学」と、②自分で行き先を決められる「一般留学」、③大学の休学制度を利用していく「休学留学」があります。①と②では、留学期間も上智大学での修業年限に算入されるので、4年での卒業が可能です。また、留学先で修得した単位を上智大学で換算することもできます。③の場合には、留学期間を卒業年限に算入できないため、4年での卒業はできず、単位換算もできません。
①の場合、イスパニア語圏の協定校は、現在、アルゼンチンに2大学、チリに2大学、コロンビアに2大学、スペインに17大学、グアテマラに1大学、メキシコに10大学、ペルーに2大学、ウルグアイに1大学、の合計37大学あります(2025年6月1日現在)。行き先によって留学時期は春学期出発か秋学期出発で、1年間または1学期間の留学が可能です。年ごとに先方との調整により受け入れ枠が決まり、応募者を選抜します。応募するためには、成績の条件や協定校の定めた語学要件などがあるので、交換留学を目指す場合にはできるだけ早い時期からの準備が必要です。授業料は上智大学のみに納め、手続きは大学のグローバル教育センターを通して行います。2年次以降の出発となり、協定校によって留学できる年次が決まっています。
②の場合、留学先は、学位授与権のある大学で、事前にイスパニア語学科長の許可が得られれば、自由に選ぶことができます。1クォーターから2年間までの留学が可能で、単位換算もできますが、授業料を上智大学と留学先の両方に納める必要があり、手続きは個人で行います。
休学制度を利用する③の場合、その間の上智大学での授業料は減額になりますが、留学先での授業料等はすべて個人負担となります。留学先の制限はなく、留学内容も自由です。
短期留学では、現時点では、イスパニア語学科生が単位を得られるような制度はなく、個人レベルでの語学研修に限られています。
留学はしなければいけない義務ですか?留学しない学生は不利になりますか?
義務ではありません。近年ではインターネットの普及のおかげで、工夫と努力しだいで日本にいてもイスパニア語圏の生の情報に触れられる環境が整っています。したがって、イスパニア語運用能力に関しては、熱意さえあれば、大学での授業を中心に積極的な学習を行えば、留学をしなくても、ある程度のレベルにまでは到達できます。
一方で、留学してイスパニア語で生活する環境で過ごすことは、語学力の向上のためにはもちろんのこと、人としてかけがえのない経験になります。もし機会があるようであれば、積極的に活用するに越したことはないでしょう。
ただし、留学したからといって、毎日を漫然と過ごしていては、語学能力の進歩も人間としての成長も期待できません。留学をするにせよしないにせよ、得られる成果は、それまでの準備も含め、結局は本人の姿勢しだいだと言えます。
留学をすると就職に影響(有利・不利)がありますか?
留学経験が就職に有利になるか不利になるかは、結局本人がその留学で何を得て何を学んだか、そしてそれを先方が評価してくれる形できちんと伝えられるかによると思われます。一般的には留学によって語学力が伸びますが、すぐに仕事で使えるほどのレベルになるかと言うと、話はそう簡単ではありません。語学力以外にも、留学によって、自分を見直すことができたり、視野が広がったり、コミュニケーション能力が向上したりという成果を得ることができれば、それをアピールすることができるでしょう。
なお、留学によって卒業が伸びて就職に影響が出ることを心配する声がよく聞かれますが、データ上は特に不利にはなってはいないようです。ちゃんとした目的意識をもってした留学であれば、その分の時間はプラスにこそなれ、決してマイナスになることはないはずです。
交換留学協定校
エル・サルバドル大学(アルゼンチン)
コルドバ・カトリック大学(アルゼンチン)
教皇立チリ・カトリック大学(チリ)
アルベルト・ウルタド大学(チリ)
教皇立ハベリアナ大学(コロンビア)
ロス・アンデス大学(コロンビア)
バルセロナ自治大学(スペイン)
ブルゴス大学(スペイン)
教皇立コミージャス大学(スペイン)
コルドバ大学(スペイン)
デウスト大学(スペイン)
グラナダ大学(スペイン)
ハエン大学(スペイン)
ラ・ラグーナ大学(スペイン)
ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア大学(スペイン)
リェイダ(レリダ)大学(スペイン)
ロヨラ・アンダルシア大学(スペイン)
マドリード自治大学(スペイン)
ナバラ大学(スペイン)
サラマンカ大学(スペイン)
セビージャ大学(スペイン)
バレンシア大学(スペイン)
バレンシア・サン・ビセンテ・カトリック大学(スペイン)
ラファエル・ランディバル大学(グアテマラ)
メキシコ大学院大学(メキシコ)
ホセ=マリーア=ルイス・モラ研究院(メキシコ)
メキシコ自治工科大学(メキシコ)
モンテレイ工科大学(メキシコ)
オクシデンテ工科大学(メキシコ)
グアダラハラ大学(メキシコ)
グアナフアト大学(メキシコ)
イベロアメリカ大学(メキシコ)
イベロアメリカ・レオン大学(メキシコ)
メキシコ国立自治大学(メキシコ)
ペルー・カトリック大学(ペルー)
パシフィコ大学(ペルー)
ウルグアイ・カトリック大学(ウルグアイ)