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教員BLOG

2025.07.08

ブラジリア大学日本語学科 アリセ・上甲教授の講演

こんにちは、ポルトガル語学科のネーヴェスです。
2025年4月23日(水)、本学科では、来日している私の恩師であるブラジリア大学日本語学科のアリセ・上甲教授を迎え、3年・4年向けの講演を行いました。
講演のテーマは、’’Como a cultura e os costumes japoneses são preservados e transmitidos para as novas gerações de nikkeis no Brasil’’(どのように日本の文化と習慣は日系ブラジル人新生代へ伝達されるのか)でした。

参加者は、学生60名ほどおよび教員4名(子安学科長、講演の計画を作ったジアス先生とメイレレス先生および私)でした。
講演の内容は、ブラジルの歴史および日本史から見る日本移民の始まりとブラジル社会構成とのつながりを踏まえて、現在のブラジル日系社会構成まで続きました。
上甲教授が本人の家族写真を使用し、自分の歩んできた人生を振り返りながら現在ブラジル日系社会を一世、二世、三世、四世と日系と他のルーツを持っているブラジル人の結婚から生まれた子孫(ポルトガル語の表現では、ノン世)により構成されていることを学生へわかりやすく興味深く説明しました。
更に、今のいわゆるZ世代日系人(上甲教授が自分の孫の世代に当たると楽しく説明した)に残っている日本の習慣および文化についても細かく説明しました。
この世代が意味をわからず使用し続ける表現(いただきます、ごちそうさまでした、ただいま、行ってきますなどの表現)がその一つの例です。
そしてキリスト教育ちにもかかわらず、先祖代々から伝わってきた仏教のお葬式の風習をし続けることもその一つの例えです。
もう一つの興味深いことは、ブラジル人日系人が別のルーツのブラジル人の方と結婚しても、その相手とその子孫も様々な日本の習慣を受け入れ、実践し続けていることです。その例えとして上甲教授が家に入る時に靴を脱ぐ習慣を挙げました。
上甲教授の話し方はポルトガル語を学んでいる3年・4年生に合わせて、難しい内容であっても優しい表現を使用することだけではなくジョークを交えながらでしたので、多くの学生は楽しく聞いていました。
最後に学生から上甲教授への質疑応答の時間も設けました。
様々な興味深い質問(日系人への偏見があるかないか、ブラジルの教育制度と日本教育制度の中で戸惑うことはあるか、など)があり、上甲教授が丁寧に答えました。
私にとっても、自分の恩師が自分の教え子へ講演したことはとても感動的なひと時でした。