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留学BLOG

2025.03.11

ブラジル留学体験記「ぐちゃぐちゃな国、だから好き」

日本の22.5倍の面積を持つブラジルは、1つの国とは思えないほど実に様々な顔を持つ。サンパウロのような大都会もあれば、リオデジャネイロのビーチのように自然に恵まれた場所もあり、バイーアに行けば奴隷制時代のアフリカの影響が色濃く残る。ブラジルに秘められた可能性は留まることを知らない。魅力に溢れた国だ。

しかし、1年間サンパウロで「生活」をしてみると、ブラジルのぐちゃぐちゃな部分が悲しいほどに見えてくる。高そうなスーツをピシッと着てパウリスタ大通りを歩くビジネスマンのすぐ横には、ボロボロの服で寝転ぶホームレス。毎日どこかで起こる強盗事件。綺麗な高層ビルの並ぶ街でも、目線を落とすと貧富の格差が嫌でも目に飛び込む。感情がぐちゃぐちゃになる瞬間が沢山やってくる。それでも私はサンパウロが、ブラジルという国が大好きになってしまった。必死に働き、必死に勉強し、全力で踊り、歌い、呑む。誰もが希望を持って生きているように見えた。ブラジルは私に「これで人生終わってたまるか!全力でがむしゃらに生きてやる」と強く思わせた。

サンパウロ大学では苦労もした。「半年くらいすると授業が理解できるようになるよ、頑張って!!」と先輩方から聞いていたが、ぶっちゃけそんなことは無い。アジア人顔をしていても「日系人か」と思われ、ポルトガル語を全然理解していない日本人留学生が紛れているとは誰も思わない。ポカンとした顔で2時間、長いと4時間連続の授業で思考停止したまま座り、泣きそうになっていたことも少なくない。しかし、興味だけで選んだ授業の中でアフリカ系コミュニティを訪問したり、アフロブラジル宗教の儀礼場を見学したりと、新しい分野に挑戦しなければできなかった経験も多い。交換留学だ。目的は語学に留まらなくても良いと思っている。どうせレポートやテストはどれも難しい。折角なら、留学先でしか受けられなさそうな授業に挑戦してみてほしい。

私は何よりサンバが大好きで、留学中、サンバの背後にあるアフロブラジル文化も大好きになった。サンパウロで数多くのサンバチームを訪問した。留学後半は週4回サンバチームで打楽器を叩き、週1回ずつ、ダンスと弦楽器のレッスンに通った。帰国を無理やり延ばし2月のカーニバルに出場した。ブラジルに行けば、きっと、心を揺さぶられる瞬間が何度も訪れるのではないかと思う。最初の一歩を踏み出すのは不安で怖くて逃げたくなる。しかし、期限付きの短い時間だ。どんなに小さくても良い。留学中に一歩でも良いので、皆様が少しでも殻を破って踏み出せることを願っています。

N.S(サンパウロ大学)