(2025年度オープンキャンパス外国語学部説明会 学生座談会より)
英語学科 ブラウネル留果さん
① なぜ上智大学の外国語学部、自分の所属学科を選びましたか?
私には明確な将来のビジョンがなかったので、英語と日本語という二つのレンズから世界や文化を見る力をつけながら将来活躍できる選択肢を少しでも増やそうと思い、上智大学の外国語学部英語学科を選びました。日本に住んでいる以上日本語で受ける情報が多くなる傾向がありますが、自分の知見を広げるためには英語という媒体が必要なのではないかと考えました。これは、例えば自分が興味を持っている詩をはじめとする文学や、世界情勢を理解すること、そして何よりも国際的な家庭で生まれ育った自分を理解するのに必要なことだろうと思っていました。
②入学後どのような変化(意識、成長など)や発見がありましたか?
英語を言語として運用する力はもちろん、英語を使った思考ができるようになったことだと思います。英語で行われる授業を受け、英語の教材をもとに思考したり、考えをまとめたりするのに、その言語で考える力が必然的に求められるようになりました。これを通して、表面的な英語力だけでなく、自分の中にまで内在化した英語力と思考力を養うことができました。また、授業で触れる幅広い話題を通じて物事に対して多面的で枠にとらわれないアプローチをしようと試みることができるようになったと思います。例えばニュースで取り上げられる社会問題にも、さまざまな立場から関わっている人がいることや、人種や学問に対して自分の持っている潜在的なバイアスをどうしたら乗り越えられるかということを、授業を通して考えることが増えました。
③研究テーマや留学、就職などについて教えてください。
批判的応用言語学についての研究をしています。これは、既存の枠組みにとらわれない、社会言語学のことであり、私は言語を操るということは、社会のつながりにおいてどんな働きを持つのかということに関して研究しています。これは、言語の構造だけではなく、「私たちのやりとりや発信の方法によってどのような歪みが生まれてしまうのか」や「それぞれの地域土着の考えが消されることなく共有されるためにはどうしたらいいか」、そして「言語教育のより良い普及とはどのようなものなのか」という内容につながるものです。英語に限らず、言葉を通して表現するということの重要性を再認識し、言語の視点から不平等と向き合うことを試みています。私がこれを研究テーマに選んだ理由は、2言語に囲まれて生活する中で、言語を使うということやそれを理解、会得するということの社会的意義に興味をもあったからです。特に、2年生の秋学期に行った留学を通して、言葉を話すことと、文化を理解することは大きく異なることだと感じ、より、「道具」ではなく、「レンズ」としての言語と働きに興味を持ったからです。
④さいごに、高校生に向けて、上智大学外国語学部の魅力を伝えてください。
まず、言いたいのは、現時点で大学受験について考えるにあたって、将来のビジョンがはっきりとしていなくていいということです。もちろん、将来の夢に向かって頑張っている人もいると思いますが、大学では、自分の本当にできること、やりたいことを考えることができる環境があります。そして、上智大学の外国語学部、英語学科の魅力はまさにそこにあります。専門性の高い学部の授業に加えて、豊かな一般教養やキリスト教人間学の授業、さらには柔軟に受けられる他学部の科目により、体系的に言語を媒体としたさまざまな領域を学ぶ事ができます。特に英語学科では、英語を単なるコミュニケーションのツールというより、社会や自分の周りの事象に関する理解を深めるための「レンズ」として使う力を養えます。その点で、社会問題の解決に興味がある人や将来国際的な分野で活躍したい人、英語を用いて働きたい人にはもちろんですが、知的探究心が旺盛な人や将来の可能性を広げたいと思っている人には、特に上智大学の外国語学部英語学科があっていると思います。