大泉町 健康福祉部 健康づくり課 篠原亮太さん
私は、2007年にポルトガル語学科に入学、2011年に卒業して、現在は群馬県大泉町で町役場の職員として働いています。大泉町という町について、ポルトガル語学科に通う人ならば一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。日本のブラジルと言われることもあるくらい、ブラジル人が多く住んでいる町です。2025年12月末時点で総人口は41,267人、そのうち外国籍住民は9,011人で総人口の21.8パーセントです。外国人のうちブラジル国籍の人は4,693人で、総人口に占める割合は11.4パーセント、つまり、人口の10人にひとりがブラジル人、という町です。

学生向けに講演してくださった篠原さん
私は大泉町役場に入職してからいくつかの部署を経験してきました。今(2026年1月現在)は健康づくり課にいますが、はじめに配属されたのは国際協働課(現在は多文化協働課)という部署で、外国籍住民との共生に向けた取組を行う部署です。そこで当時の上司から教えてもらった中で最も印象に残っているのが「正しい情報を正しく伝え、正しく理解してもらう」ということばです。
よく、ごみを分別していないなど、「外国人はルールを守らない」と言われることがありますが、外国人でもルールを守って生活している人はたくさんいます。では、なぜこのようなことが言われるのかというと、そもそもルールを知らなかったり、知る機会がなかったりすることが原因のひとつとして考えられます。例えば、ごみを分別して捨てる習慣のない国から来た人は、ごみを捨てるときは分別するものだという発想がありません。そのため「日本ではごみは分別して捨てます、分別の仕方や捨てる曜日、時間も決まっています、自治体によって異なります」ということを正しく理解してもらう必要があります。
しかし、日本語で情報発信を行うだけでは外国籍住民に対して十分に情報を届けることはできません。では、大泉町では情報を伝えるためにどのような取組をしているのか、私が国際協働課にいた頃のことを含め、町の取組を紹介させていただきます。
はじめに、行政資料の翻訳です。これは皆さんもすぐに想像できると思います。しかし、様々な国籍の人が住むようになると、それぞれの言語で翻訳をすることはできません。
翻訳のほかに、重要だと考えている取組が、キーパーソンとの連携です。キーパーソンとは、行政と外国籍住民をつなぐ人たちのことで、行政が伝えたい情報を彼らに伝え、そこから多くの外国籍住民に情報を届けようというのがこの取組です。キーパーソンには外国店舗の店長や外国人学校の先生などがおり、彼らと連携した活動を行ったり、新たなキーパーソンを探したりという取組を行っています。
外国人との共生のためには、このような取組を通じて、日本人と外国人がお互いに顔の見える関係を築き、相互理解を行うことが大切です。地道な取組の連続ですが、これからも試行錯誤しながら一歩ずつ進んでいきたいと思います。
最後に、外国語学部を卒業した後の進路は海外で仕事や活動をしたりするイメージもあるかと思いますが、今日本には400万人近くの外国人が住んでいます。日本で、日本に住む外国人と地域をつなぐ仕事も将来の選択肢のひとつとして考えていただければ幸いです。
(所属は取材当時のものです)
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大泉町を訪れたポルトガル語学科学生と教職員