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留学BLOG

2026.07.13

世界が交わる街「パリ」という教室

【はじめに】
私は2025年9月から、フランスパリにあるパリ・カトリック大学に約10か月間の交換留学を行いました。留学前、「花の都パリ」での留学生活に胸を躍らせていた私が、日本帰国後の今印象に残っているのは、皆さんが想像するパリの美味しいクロワッサンや美しい街並みではありません。それは、大学での授業、世界各国から集まった学生との交流、パリでの生活を通して、パリそのものが学びの場、一つの「教室」だったということです。

【大学での学び】
大学では社会科学学科に所属し、社会学や国際関係に関する講義を受講しました。「社会学」といっても単に社会学の歴史や考え方を学ぶだけではなく、社会学と他の学問を結びつけた学びが非常に興味深かったです。実際、「心理社会学」や「社会学と人類学」、「家族社会学」や「宗教社会学」といった講義を受講し、様々な視点から「社会学」という学問を学ぶことができ、学問理解を深める非常に良い機会だったと感じています。特に、家族や宗教と社会学を関連させた授業では、フランスにおける家族や宗教の社会とのつながりや影響を実例と共に学び、フランス社会への興味がさらに深まりました。期末の論述試験には非常に苦労しましたが、追試験も含めて全力で勉強できたことは、今では思い出の一つです。
また、秋学期、春学期のそれぞれ初め一か月程度は留学生向けのフランス語の授業があり、自身のレベルに適したクラスで、文法や会話演習、発表などを行いました。留学生向けの授業ということで世界各地から様々なバックグラウンドを持った留学生が集まり、共にフランス語を学んだ時間は、非常に刺激的でした。
どの講義でも等しく言えることは、やはり学生の積極性や意欲が高いことです。現地学生の学びに対して貪欲で、質問を惜しまない姿勢や、周りの留学生達の常に積極的な姿勢も、私にとって大きな学びになりました。

オリエンテーションデーでは多様な学生団体が、新入生の勧誘に集まります。

【日仏言語交換団体での出会い】
大学での学びに加えて、私にとってもう一つの「教室」となったのが、日仏言語交換団体「Troque ta langue」での交流でした。この団体は、日本語を学ぶフランス語話者と、フランス語を学ぶ日本語話者の交流を目的とした団体で、映画鑑賞会や日本のお茶文化、折り紙を体験するワークショップ、ピクニックなどいくつかのイベントに参加しました。言語交換の場でありながら、話題は言葉そのものにとどまらず、日常生活、文化、社会問題、将来のことなど多岐にわたりました。同じテーマについて話していても、人によって考え方や大切にしている価値観が異なり、自分にとって当たり前だったものの見方を見つめ直すきっかけになりました。
また、そこで出会った人々は、単に「言語交換の相手」ではなく、留学生活を支えてくれた大切な人で、帰国後の今でも連絡を取り合うかけがえのない友人になりました。真面目な話をした時間も、たわいもない話で笑い合った時間も、私にとっては教室での学びとは違う、大切な学びの時間でした。Troque ta langueでの交流を通して、フランス語で会話することは、正しく話すことだけではなく、相手を理解し、自分の考えを伝えようとすること、コミュニケーションを取ろうとする前向きな姿勢であると実感しました。

言語交換団体のみんなで春にピクニックに行きました。

【パリという街】
大学で学んだことは、教室の中だけで完結するものではありませんでした。授業で学んだ社会学や国際関係、宗教に関する知識は、街へ一歩出ると、日常の風景の中で実際に目にすることができました。
例えば、メトロに乗ると、フランス語だけでなく様々な言語が聞こえてきます。また、地区ごとに街の雰囲気や人々の暮らし、並ぶお店にも違いがあり、パリが多様な文化や価値観を受け入れながら成り立っている街であることを感じる日々でした。様々な宗教を信仰する人々が共に生活する様子も、宗教社会学の授業で学んだ内容をより身近なものとして考えるきっかけとなりました。
また、パリではデモに遭遇することも決して珍しいことではありません。実際、最低でも月に一回は街中でデモを目にし、留学当初はその多さに驚いていましたが、生活するうちに、それは市民が自らの意見を社会へ発信するための手段として日常に根付いていることを実感しました。大学での講義で社会学や国際関係について学んだからこそ、その光景を単なる「珍しい出来事」としてではなく、フランス社会を理解する一つの手がかりとして捉えられるようになったのではないかと感じています。

近所で行われていたデモ活動

【おわりに】
「世界が交わる街パリ」という環境だからこそ得られた経験や出会いは、私の視野を広げるだけでなく、物事を多角的に考える姿勢を育んでくれました。学びにあふれる「パリ」という街で過ごした約10か月は、私にとってかけがえのない経験になりました。この「教室」で得た出会いや学びを大切にしながら、新たな環境でも学び続けていきたいと思います。

横田 莉子