
加藤百恵さん(2021年卒業)
学生時代に学んだこと、取り組んだこと
私の専攻はドイツ語でしたが、言語自体だけでなく、ドイツやヨーロッパ社会をはじめ、世界各国の社会・政治・経済について幅広く学びました。専門分野にとらわれず、興味を持った授業には積極的に参加し、さまざまな分野の知識や考え方に触れることを大切にしていました。
特に印象に残っているのは、他大学のゲスト教授がお話しされた授業です。その中で、「地球温暖化を長い地球の歴史という視点で捉えると、現在とは異なる見方もできる」というお話を伺いました。振り返れば小学生の頃から省エネルギーやCO₂削減が口うるさく言われる時代で育った私にとって、その授業は物事を一つの価値観だけでなく、多角的な視点から考えることの大切さを学ぶ貴重な機会となりました。
上智大学には、新たな視点や考え方を与えてくれる授業や先生方が数多くいます。幅広い学問に触れ、多様な価値観を学んだ経験は、現在の私の考え方の土台になっています。
現在の業界・職種を選んだ理由
大学3年生の時に所属したゼミでは環境問題も一つのテーマとして扱われ、日本とドイツの環境政策を比較しながら研究を進めました。その中で教授から紹介された再生可能エネルギー技術に関する授業を受講したことが、現在の仕事へとつながる大きな転機となりました。
それまで地球温暖化は「解決すべき社会課題」という認識でしたが、その授業を通して、再生可能エネルギーという具体的な解決策や、それを支える技術の可能性を知りました。社会課題を技術の力で解決していくことに大きな魅力を感じ、「この技術を社会に広める仕事に携わりたい」と考えるようになったことが、現在の業界・職種を志したきっかけです。
仕事の紹介
現在は、再生可能エネルギー発電所の開発・建設・運営を行う会社で、発電所で生み出された電力や環境価値の販売を担当しています。
近年はFIT・FIP制度による国からの支援が縮小し、再生可能エネルギーの普及には民間企業の役割がますます重要になっています。企業が再生可能エネルギー由来の電力や環境価値を活用することで、新たな発電所の建設や既存事業の継続が支えられています。
お客さんとの契約を結ぶことで、再生可能エネルギーの普及や脱炭素社会の実現につながっていくことに、大きなやりがいを感じています。
大学で学んだことが活かされた場面
上智大学に入学して間もなく、「SDGs」という言葉を学内でよく耳にするようになりました。現在では広く浸透している考え方ですが、私が学生だった当初は、まだ社会全体で一般的とは言えない時期でした。そうした先進的な環境で学んだからこそ、環境問題に対する関心やアンテナを自然と持つことができたと感じています。
現在携わっている再生可能エネルギー業界では、日本は欧州諸国などと比べると発展途上の部分も多く、設備メーカーや技術パートナーはヨーロッパや中国の企業が中心です。そのため、大学で培った語学力に加え、留学を通じて身に付けた異文化理解や、多様な価値観を持つ人々とのコミュニケーション力が、日々の仕事でとても役立っています。
高校生へのメッセージ
大学生活では、ぜひ専門分野だけにとどまらず、自分が少しでも興味を持ったことには積極的に挑戦してほしいと思います。私自身、ドイツ語を学ぶために入学した当時は、将来、再生可能エネルギーの普及に携わる仕事に就くとは想像もしていませんでした。しかし、授業やゼミを通じて新たな分野に出会い、学びを深めたことが、現在の仕事につながっています。
言語を学ぶことは、単に外国語を身に付けることではなく、新しい文化や価値観、そして自分自身の可能性に出会うことでもあります。大学での何気ない興味や学びが、将来の進路を大きく変えるきっかけになることもあります。ぜひ自分の「面白そう」という気持ちを大切にし、多くのことに挑戦しながら、自分だけの可能性を広げていってください。
(所属は取材時のものです)