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留学BLOG

2025.03.16

大好きな街、ハンブルクで過ごした濃密な171日間

柏原伶音

Moin!ドイツ語学科2年の柏原伶音です。昨年10月から半年間、ハンブルク大学で在外履修をしており、現在はすべての授業を終え、最終試験に向けて毎日ドイツ語と格闘する日々を送っています。気づけば留学生活も終わりに近づき、日本へ帰れることへの安心感と、もっとハンブルクにいたいという気持ちの間で揺れ動いています。そんな中、今回このブログを執筆する機会をいただきました。この半年間を振り返りながら、「留学前に思い描いていたドイツの理想と現実」「実際の留学生活の様子」「留学を通じて成長できた点」 の3つのテーマについて綴りたいと思います。 

・留学前に抱いていた理想と現実
今回の留学は、私にとって人生初めての留学でした。さらに、長年憧れていたドイツで半年間生活できるという期待感もあり、留学前はドイツでの生活をまるで“理想郷”のように思い描いていました。もちろん、異国の地で初めての一人暮らしをすることへの不安もありましたが、それ以上に「早くドイツに行きたい!」という気持ちが強く、この半年間のプログラムに大きな期待を抱いていました。 
しかし、実際に現地で生活を始めてみると、理想と現実との乖離に直面することが多く、最初は思い通りにいかないたびに自分の未熟さを痛感し、落ち込むことも少なくありませんでした。 
例えば、語学力の面では、ドイツに来る前の私は「日常生活のほとんどの場面には対応できるだろう」と、自身の語学力を過信していました。そのため、いざ現地でトラブルに直面し柔軟に対応できなかった際には、自身の実力不足を思い知らされ、大きなショックを受けたことを覚えています。特に苦労したのはリスニング力でした。ドイツ人の友人と一対一で話すときは、聞き取れなかった部分を何度も聞き返したり、話すスピードを落としてもらったりすることで、意思疎通を取ることができていました。しかし、複数のドイツ人と会話をすると、一気に話すスピードが速くなり、会話についていけず悔しい思いをしました。これに関しては、今後も引き続き改善していくべき課題であると認識しています。 
とはいえ、決して挫折ばかりではありませんでした。現地で生活していると、たまに現地の方に話しかけられることがあります。その際に、自身が留学生としてドイツ語を学びに来ていることを伝えるとすごく驚かれます。特に印象に残っているのは、ある時地下鉄に乗っていたときのことです。向かいの席に座っていた優しい老夫婦が私に話しかけてくれ、ドイツでの生活について話した際、「そんな若いのに一生懸命ドイツ語を勉強してくれて、とても嬉しいわ。そして何より、あなたはもうすでに十分うまく話せているわ。」と言ってくださいました。その言葉を聞いたとき、自分のドイツ語が現地の方にも伝わっているのだと実感し、大きな自信につながりました。 
このような小さな成功体験を積み重ねていくうちに、今では一人でも自信を持って現地の方と話せるようになりました。今振り返ると、最初の挫折は決して無駄ではなく、自分のドイツ語学習に大きなやる気と自信を与えてくれただけでなく、精神的な成長にもつながる貴重な経験だったと考えています。 

・実際の留学生活の様子 
まず授業についてですが、私は語学授業を5つ履修していました。それぞれ、コミュニケーション、プレゼンテーション、ライティング、発音、そしてドイツに関する知識を深める授業です。どのクラスでも積極的な姿勢が求められ、プレゼンテーションはもちろん、他の留学生と意見交換を行ったり、グループ発表を行ったりする機会も多く、主体的に参加することができました。また、他の交換留学生のレベルが非常に高く、常に刺激を受けながら語学学習へのモチベーションを維持することができました。 
授業がない空き時間には、3人のドイツ人と友人とタンデム(言語交換)を行い、積極的にドイツ語に触れる環境を作りました。タンデム以外でも、日本語学科のドイツ人の友人たちと一緒に OASE と呼ばれる勉強スペースで学習することが多く、彼らの勉強熱心な姿勢に非常に感銘を受けました。日本語ネイティブの私でさえ考えもしなかったような疑問を投げかけてくることもあり、日々言語を学ぶことの楽しさや面白さを噛みしめています。 
その他にも、ドイツ人の友人とクリスマスパーティーや映画鑑賞会を開いたり、一緒にクッキーを作ったり、地域の収穫祭に参加したり、人生初めてのスケートをしたりなどと、忘れられない思い出をたくさん作ることができました。ハンブルク大学では、AAI(Asien-Afrika-Institut、アジア・アフリカ研究所) 主催のイベントが頻繁に開催され、そこで多くのドイツ人の友人を作ることができました。みんなとても親切で、彼らのおかげで充実した留学生活を送ることができたといっても過言ではありません。

ハンブルクでドイツ人の友人と人生初めてのスケートをしました!大切な思い出のうちの一つです。

ドイツ人の友人の家でクリスマスパーティーをしました!
美味しい食事やカラオケなどを堪能しました。

・留学を通じて成長できた点  
語学の面では、少しでもドイツに来る前よりも成長できたと感じています。しかし、それ以上に私がこの留学を通して大きく変わったのは、物事の捉え方や考え方です。以前の私は結果に完璧を求めすぎたり、周りと比べてしまったりして、自分で自分を追い込んでしまうことがありました。しかし、ドイツでの生活を通じて、「上手くいかないことがあっても大丈夫」「自分らしく自分のペースで留学生活を送ろう」と、前向きに考えられるようになりました。何かトラブルがあっても焦らずに冷静に対処できる力もつき、自分自身の成長を実感しています。もちろん、語学力を伸ばすことも大事ですが、この半年間を通して、留学はそれだけが目的ではないと実感しました。

ハンブルクで出会った日本人の友人たちと寮で鍋パーティーをしました。
久しぶりに日本食を食べた感動は今でも忘れられません。


ハンブルクの美術館 “Hamburger Kunsthalle” で写真を撮ってもらいました!

・最後に
半年間という短い期間ではありましたが、自分の人生を振り返ると、この留学生活は一番濃密な時間だったように感じています。一人で異国の地で生活することは、必ず今後の自分の成長に繋がる貴重な経験だと確信しています。私は4年生でもう一度ドイツへの交換留学を考えており、この留学を経て学んだ様々なことを次の留学にも活かしていきたいと考えています。
最後になりますが、私はこの半年間ハンブルクという大好きな街で、素敵な仲間と共に充実した時間を過ごすことができて、とても幸せで一杯です。このような大変貴重な機会を与えてくださったドイツ語学科の教授の皆様、ハンブルク大学の皆様、そして支えてくれた大切な家族、友人に心から感謝しています。本当にありがとうございました。残された少ない時間も悔いなく、毎日を大切に過ごしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!


ハンブルクを代表するコンサートホール“Elbphilharmonie Hamburg” :
実際に大好きなピアニストの演奏を生で聴くことができました!


“ハンブルクの真珠”と呼ばれているBinnenalsterを眺めることができる
Lombardsücke : ハンブルクで個人的に一番好きな場所です。