特色と目的
「ドイツ語やるなら上智!」-私たちが自信を持ってこう言えるには理由があります。
1913年に設立された上智大学ですが、その創設期からドイツ語圏と深いつながりを保ってきました。大学設立に大きく貢献したヨゼフ・ダールマンも、初代学長であるヘルマン・ホフマンもドイツ人であったことに始まり、上智大学の発展は多くのドイツ出身者によって支えられてきました。四谷キャンパス内には「クルトゥルハイム」、「ホフマン・ホール」、「クルップ・ホール」、さらには上智大学の象徴である「1号館」など、ドイツ語圏との縁を物語る建物が点在しています。現在、上智大学はドイツ、オーストリア、スイス、リヒテンシュタイン、ルクセンブルクといったドイツ語圏各国と学術協定を結び、ルクセンブルクやケルンに海外拠点を設置するなど、幅広くドイツ語圏との学術・文化交流を続けています。ドイツ語圏に関する研究をしている教員が全学的に多いのも上智の特徴です。
その中でドイツ語学科は、日本人教員とドイツ語を母語とする教員が連携し、集中的かつ効率的なドイツ語教育と、学際的な地域研究の指導を実施しています。教員の専門分野は、言語、文化、思想、社会、政治、教育の広い範囲をカバーしています。ドイツ語や地域研究の専門家を育てるだけでなく、高いコミュニケーション能力、専門知識とスキルを備え、国際社会で活躍できる人の育成を目指しています。そのため、国内外での異文化交流やドイツ語圏への留学を視野に入れ、ドイツ語とドイツ語圏に関する知識を習得しながら、国際感覚を養うことができる環境を提供しています。
1年次・2年次では、コミュニケーションと文法を中心としたインテンシブなドイツ語教育を行っています。コミュニケーションの授業は1年次に週4回、2年次の春学期には週6回行われます。授業ではドイツで出版されているドイツ語による最新のデジタル教科書や複数のメディアを活用しながら、日常生活で必要となる読む・書く・聞く・話すの4技能を集中的に習得していきます。週2回の文法授業では、ドイツ語の基礎的な文法を学び、文法に基づく適切な読解力と表現力を養い、強化していきます。 ちょっと大変そうに見えるかもしれませんが、コミュニケーションと文法の授業における学びを連結、反復させることで、ドイツ語を受容し、発信する能力を短期間で身につけることができるのです。同時に、「ドイツ語圏研究」科目では、ドイツ語とドイツ語圏の現在の課題に触れ、ドイツ語圏の社会事情や文化、価値観、思考方法などへの理解を深めます。 基礎力を固めた後は、2年次秋学期から「在外履修制度」を利用し、ドイツ語圏で勉強することができます。一般的な留学よりも早くドイツ語圏に飛び、26校もの協定校の中から希望する大学で半年間勉強できます。さらに、交換留学制度を併用すれば、最長1年半の留学も実現可能です。在外履修に向けた授業や留学相談会等を通して、学科スタッフのみならず、学科の先輩によるサポートも受けることができます。 3年次以降は、専門性を高める授業が充実しています。言語・異文化コミュニケーション・翻訳・政治・経済・環境・社会・文化・教育など、多様なテーマについてドイツ語圏からの留学生と共に学ぶ「日独比較研究」の科目、専門的な内容のドイツ語を読むための技能を身につける「専門読解準備コース」や、学生が主体的に研究を進めていく「演習」科目(ゼミ)の参加を通して、専門的技能と知識を獲得していきます。その過程で、日本語とドイツ語、また日本とドイツ語圏の間を適切につなぐ仲介能力をも身につけます。 その他にも、ドイツ語学科では1年次より参加できる「タンデム学習」の機会を提供しています。タンデム学習ではドイツ語圏の学生と一対一のペアを組み、定期的に交流しながら、お互いの言語と文化の違いや共通点について発見していきます。これにより、教室外でも日々生きたドイツ語を身につけ、ドイツ語圏の社会や文化について新たに学び、国際感覚を養うことができるでしょう。 ドイツ語とドイツ語圏に関する知識がゼロからのスタートでも心配ありません。大学の貴重な4年間を通して、着実に言語能力と専門的スキルを積み上げ、国際的な視点を養うカリキュラムが整っています。 「ドイツ語やるなら上智!」-ぜひあなたもドイツ語学科で体感してください。
Why ドイツ語?
ドイツ語はEU圏内で母語として最も使用されている言語です。ドイツ、オーストリア、スイスを中心に、ベルギー、ルクセンブルク、リヒテンシュタインでもドイツ語が公用語として使用されています。さらに、ドイツ語はヨーロッパでロシア語に次いで広く話されており、北欧、北アメリカ、南アメリカなど、世界各地でドイツ語を話す人々が存在します。また、ドイツ語は欧州連合、FIFA(国際サッカー連盟)や国境なき記者団など、様々な国際機関の公用語の1つとして用いられています。
こうした背景から、ドイツ語は世界で重要なコミュニケーション手段の1つであると言えます。ドイツ語を習得することで、英語に加えて新たな表現手段を手に入れ、世界中の多くの人々と深い意思疎通を図ることができるようになります。
ドイツ語の魅力は使用人口や地理的な広がりだけにとどまりません。ドイツ語とドイツ語圏に関する専門的知識を学ぶことで国際感覚を養い、将来のキャリア選択肢を拡大し、国際社会で活躍できる機会が大いに増えるのです。
ドイツはヨーロッパ最大の経済大国であり、オーストリアやスイスも世界的に成功を収めています。ドイツ語圏の企業は日本にも多く進出しており、ドイツ語とドイツ語圏の文化・社会に関する知識を持つ人材は、日本国内外でドイツ語圏企業との円滑なコミュニケーションを築き、活躍することが期待できるでしょう。
また、日本とドイツ(語圏)は、少子高齢化、移民受け入れ、環境やエネルギーなど、多くの課題を共有しています。しかし、その取組や対応の仕方がしばしば大きく異なります。互いに参照しあうことで、グローバルな問題に対しても新たな視点や解決策を見出すことができます。
さらに、日本とドイツ語圏諸国は長きにわたって、政治・経済・学術・教育・文化など様々な分野で交友関係を築いてきました。ドイツ語と専門的知識を活かすことで、日本とドイツ語圏諸国の交流を継続し、さらに発展させる役割を担うことも可能になるのです。
ドイツ語を習得することで、文化や芸術に対する理解を深めることもできます。たとえば、ゲーテやシラーなどの文学作品、カントやニーチェといった哲学者の思想、モーツァルトやベートーヴェンなどの音楽作品に原語で触れることで、新たな視点や洞察を得られるでしょう。現代ドイツの映画や音楽、芸術、デザイン、スポーツ等に対してもドイツ語の知識を通じてより深く親しみ、その魅力を他の人々と共有する楽しみも広がります。
また、ドイツ語圏には世界有数の高等教育機関が数多くあります。大学卒業後には、これらの大学で修士課程や博士課程に進学し、専門知識や技術をさらに深めることも視野に入れることができます。
ドイツ語学習を通して、新たな世界への扉を開いてみませんか?ドイツ語とドイツ語圏に関する専門知識がみなさんの将来の武器になるはずです。素晴らしい発見や出会いもきっと待っています!